碧落の砂時計 青竹迷風―第8話 忍ぶ恋(後編)―

碧落の砂時計

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 こんな風に性に狂ったあさぎも、嫌いではない。あんな幼い身体に触れたくらい、彼女には昔から性的な魅力も感じていたのだろうし。
 そんな己を厭わないで求めてくれたことが清矢郎は嬉しく、だからこそ肉体的な意味だけでなく精神的にも彼女は特別に思えるのだ。
 だったら何も考えず共に堕ちればよいのだが、家族のことも大切であり、隠し通せるものならば失望させたくはない。そして引き離されることなく、大人になったら二人の仲を胸を張って認めて欲しいと夢に見ている。

 その為に、今は知られたくない――。

 しかし少女に触れる少年の身体は正直に高ぶり出してしまい、清矢郎が理性とは関係なく、無意識のうちにあさぎの腰を強く抱き締めてしまった瞬間、
「って言うかさ、ばれたら恐いって、私のこと、信じてなくない!?」
今まで彼を誘惑していたあさぎが突然勢いよく顔を上げ、至近距離で彼を見上げてきた。

 このまま勢いに任せて性欲に身を任せようとしていた清矢郎であったが、がくんと崩れ落ちそうになりながら、口を横に引いてあさぎを見た。
 唐突な主張にこのやろう、とか、やっぱりあさぎらしいなと思いながらも、彼女はまた怒っているようなので話を聞くことにする。

「そりゃ、私だってお母さんも伯父さんも恐いし(せいちゃん殺されかねないし)、ばれたくないけど……ば、ばれたらそれで『終わり』なの?」
 あさぎは不安そうであるが、真っ直ぐに清矢郎を見ていた。彼は驚いたように彼女を見返す。

「ばれたら、そのあといっぱい大変だし、もしかしたら何年も会わせてもらえないかもしれないけれど――そうしたらそれで、終わりなの? 私が離れてくって思ってるの? それとも……清矢郎が辛いの嫌だから、逃げていっちゃうの?」
 最後の一言はあさぎも真剣に言ったものであったが、まだ大人になっていない少年にとっては重い一言ではないだろうか、と思ったかためらいがちに呟かれた。そして気まずそうに、また俯く。

 「責任をとれ」と彼女が彼に迫り、こんな関係になった。清矢郎が最後まで責任を取るつもりならば、今の問いにNOとは言えないことをあさぎは知っている。そしてその問いに無理矢理頷かせており、彼を追い詰めているだけであることも知っている。
 だからあさぎは今の言葉を言ってよかったのかどうかと、言ってしまった後に迷っていた。

 だがやはり、全てを捧げた男に見捨てられることは少女にとって辛かった。
 裏切られても大丈夫だと思えるほど強くもなく大人でもないのに、清矢郎ならば大丈夫だと勝手に信じ、若気の至りで彼に抱かれてしまったのは事実――。それを後悔することになるのかと、あさぎは緊張して清矢郎の返事を待っていた。

 逆にそういった覚悟や見通しを持っていないと、この先も付き合っていくことは難しいのではないかと少女は冷静にも考えており、それは少年もまた同じであった。
 会っていても、身体を重ねても、この先どうなってしまうのだろう、家族に知られたらどうなるのだろうという不安は付きまとい、逆に互いを律して会わない間は、何を信じて待てばよいのか分からなくなってくる。

 普通、まだ子供同士の男女の付き合いは将来など考えないことの方が多いが、従兄妹同士でこんな関係になってしまった二人は、逆にそれだけの考えや思いつめるものがあったからこそ、一線を超えてしまったのだ。ただの性欲だけでこの生真面目な二人が、そのようなこと出来るわけがなかった。

「そりゃ、私なんかと……ずっとなんて、嫌だっていうなら、仕方ないけど……ほんとは、清矢郎に嫌われたくない。何があっても、わ、私のことあきらめないでいてほしい。――『責任』とってほしい」

 恥ずかしさや未来への不安、そして彼の反応が恐いという思いから、あさぎはもう一度清矢郎の広い胸に顔を埋めて縋った。


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二人の性格の 堅さ とやってる事のバランスが
妙でとっても美味しいです♪
これからはデサートかなぁ♡

2008.11.05 18:42 URL | 廣瀬 #DS51.JUo [ 編集 ]

>廣瀬さん
いつもコメントありがとうございます!「妙」で、すみません(汗)
個人的にはすっげえ真面目なのに、本性はエロエロ!っていうそのアンバランスさが好みでして…(ごにょごにょ)

はい、残り2話はほんとデザート並に甘いですよ♪胸焼けするほどの甘甘な台詞の数々をご賞味くださいませvラストシーンが食後のコーヒーのような読後感になってほしいなあとは思ってますが…。

2008.11.05 20:35 URL | takao #KVcJ/2wY [ 編集 ]

妙 ってのは 絶妙 の 妙 ですよ~

デザートお待ちしております♪

2008.11.06 14:31 URL | 廣瀬 #DS51.JUo [ 編集 ]

>再び廣瀬さん
わわっ!すみません!文脈が読み取れずお恥ずかしい限りです///そちらの意味でしたか!改めて恐縮です~。

今日、9話めの修正をしていたのですが、自分でも砂を吹きました(笑)こてこてすぎて引かれないといいんですが…。UPできましたら、また読んでやってくださいv

2008.11.06 17:48 URL | takao #KVcJ/2wY [ 編集 ]













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